「北の動物園できいた12のお話 旭山動物園物語」 浜 なつ子著を読み聞かせした感想です。
  • 子供の年齢:12歳
  • 読み聞かせの時間:15分×7日間
  • 読んだ日:2019年10月
  • メインテーマ: 修理が出来ないぐらい毎年予算が減らされても、夢に描きつけてきた「動物を生き生きと暮らせる動物園」を現実にしてしまった北の動物園の飼育員・園長・獣医のお話。一話一話が面白くて双子の娘たちは、最初の1話を読んでやると、あっという間に自分たちで最後まで読んでしまいました(^_^;)。最後の園長コスゲの「森をすてたヒト」という話が私にはグっときました。

一話一話が飼育員が主人公として描かれたドラマ

動物園には、沢山の動物がいます。一つ一つの動物には本来の性質があり(実はまだ分かっていないことだらけ)、1頭1頭の性格があり、動物との向き合い方に公式はありません。そんな動物たちに飼育員の方は全身全霊で向き合い、喜んだり悲しんだりします。その物語がこの本には描かれています。

・決して心を開かず野生のプライドを持ち続けたまま逝ったアムールヒョウのサム

・飼育員マキタさんを慕うあまりに、お互い仲良くなれないゴリラのマリとゴンタ

・極寒でも外でお日様をみないと食べれなくなったダチョウ君

・キーボを一人前の男にしたゴクウ。妊娠中毒症による2回の死産を乗り越えて誕生したゴクウの赤ちゃん。

・・などなど、どれもグッとくるようなストーリーです。

動物と向き合うってこんなに大変でこんなに感動するんだと思いますね。

双子の娘の一人は、真剣に「動物園の飼育員になろうかな・・でも大変かな。」と言い出しました。

どん底でも夢を描き続けた人たち

お客さんの少ない旭山動物園の予算は、毎年減らされていくばかり。でも、旭山動物園の園長・獣医・飼育係さんたちは夢を捨てませんでした。

・ものづくりが大好きな獣医のゲンちゃん先生

・後に絵本作家になった飼育係アベさん

・ベテラン飼育係のマキタさん

・後に園長となるドクター・コスゲ

この4人が集まると動物園哲学の熱い議論が始まり、夜中まで、時には休日も終わることがなかったと言います。

そして、その議論の結果でてきたアイデアを描いた「14枚のスケッチ」。
それが新しい市長の心を動かし、旭山動物園に革命を起こすきっかけになったんですね。

実際に行って感動した旭山動物園

私達家族は、この夏(実はこの本を読む前)に旭山動物園に行ってきました。

評判通り良かったです。動物が一つ一つ生き生き。

手書き、手作りの看板や説明が可愛いい💕💕

そして面白いクイズや可愛い看板の中に子供達に理解して欲しい「野生の動物達のくらす環境をこれ以上破壊しないためにどうすれば良いのか?」という問いがしっかり込められているのが印象的でした。

高校生の息子も、破壊されつつあるというオランウータンの森についてランチ食べながら私に質問してました。

「動物園哲学」が動物園の展示全体にしっかりと一本通っているのが感じられました。

森を捨てたヒトの悲しみ

でもこの本を読んで何より良かったと思ったのは、最後の章の「園長コスゲ」の語る「森を捨てた人」を読めたことだと思います。

園長コスゲは語ります。

なぜ人は、いつも不安に駆られるのか?他の動物は、生態系の他の動物とお互いバランスを保ち生態系を維持するためい自分を変化させて生きるのに対し、ヒトだけは他の動物を敵に回し、支配しながら生きることを選んでしまったからだと。

でも、実は心のどこかで、森に生きる本能が残ってる。

だから人はどこか不安を感じているし、森に行くと気持ちが良いし、動物園に行って動物に触れると安心し笑顔になるんだと。

動物園の使命は、来た人たちにヒトが見失ってしまった「動物たちのネットワーク」を思い出してもらい、動物たちのネットワークにつながり直してもらう事なんだと園長コスゲは結論づけます。

改めて旭山動物園の全ての展示に通った一筋の道が理解できた気がしました。

都会に住む人が自然を求めるのは本能から

園長コスゲの最後の語りを読んだとき、私自身は多くの都市部にすむ人たち(私達家族も含みます)が山や森へ行きたいと思いたくなる理由がズバリと説明されている気がして、嬉しく思いました。

生まれも育ちも市街地育ちの私達親子は、いつも便利な都市部に住んで便利な暮らしをして休日都合の良い時だけ自然の中を歩いて、それで「自然が好き」と偉そうなこと言ってる・・・自分の中でどこか後ろめたい部分がありました。

でも、この園長コスゲの言葉によると、それは自然なことだと説明された気がして嬉しかったんです。

園長コスゲの言葉を読んで、私はこれからは堂々と「私は自然が好きです。でもそれは、きっと皆同じだと思いますよ。」そんな風に言ってもいいかな、と思いました。

そして、難しいとは思いますが、可能な限り、生態系を傷付けない暮らしを模索していきたいと思いました。


18年4000冊続いた読み聞かせ

読み聞かせは、2001年長女0歳の時から始めました。それから、長男・次男・双子の娘と全部で5人の子供が産まれましたが、読み聞かせを続け、気が付けば18年4000冊にもなっていました。
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